○鉾田市議会議員政治倫理条例

平成19年6月29日

条例第18号

(目的)

第1条 この条例は,市政が市民の厳粛な信託に基づくものであり,公職にある者が,私的な利害関係によって公職の遂行を妨げられることがあってはならないことを認識し,その担い手たる市議会議員(以下「議員」という。)が,市民全体の奉仕者として,その人格と倫理性の自覚を高め,市政に対する市民の信頼を強固にすることを目指すものである。いやしくも自己の地位による影響力を不正に行使して,自己の利益を図ることのないよう未然に政治腐敗を防止するため必要な措置を定め,その高潔性を自ら実証することにより,市政に対する市民の信頼に応え,併せて市民の市政に対する正しい認識と自覚を喚起し,もって健全なる市政の発展に寄与することを目的とする。

(議員及び市民の責務)

第2条 議員は,市民の信頼に値する倫理性を自覚し,市民に対し自ら進んでその高潔性を明らかにしなければならない。

2 市民は,主権者として自らも市政を担い,公共の利益を実現する自覚を持ち,議員に対し,その地位による影響力を不正に行使させるような働きかけをすることはもとより,道義的批判を受けるおそれのある寄附行為を行ってはならない。

(政治倫理基準)

第3条 議員は,市政に携わる責務を深く自覚し,人格及び倫理の向上に努めるため,次に掲げる政治倫理基準を遵守しなければならない。

(1) 議員は,市民全体の代表者として,品位と名誉を損なうような一切の行為を慎み,その職務に関して不正の疑惑を持たれるおそれのある行為をしてはならない。

(2) 議員は,全体の奉仕者として常に人格と倫理の向上に努め,その地位を利用していかなる金品も授受してはならない。

(3) 議員は,政治活動に関する寄附行為について,政治的又は道義的批判を受けることをしてはならない。議員の後援団体についても同様とする。

(4) 議員は,市が行う認可,許可,命令に関して,特定の企業,個人,団体等のために有利な取り計らいをしてはならない。

(5) 議員は,鉾田市職員定数条例(平成17年鉾田市条例第25号)に規定する者,地方公務員法(昭和25年法律第261号)第3条第3項第3号に規定する非常勤嘱託員及び臨時職員(以下「市職員」という。)の採用,昇格,異動に関して,推薦,紹介等の有利な取り計らいをしてはならない。

(6) 議員は,市が行う公共工事,業務委託,物品納入及び使用資材の購入(以下「工事等」という。)に関して,特定の業者を推薦,紹介等の有利な取り計らいをしてはならない。

(7) 議員は,市職員の公正な職務執行を妨げ,その権限又は地位による影響力を不正に行使するよう働きかけをしてはならない。

2 前項第4号から第7号までの規定は,市が関係する地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第221条第3項に規定する法人及び法第284条第1項に規定する組合についても適用する。

3 議員は,政治倫理に反する事実があるとの疑惑をもたれたときは,鉾田市政治倫理審査会条例(平成19年鉾田市条例第16号)に規定する鉾田市政治倫理審査会(以下「審査会」という。)に出席し,自ら疑惑の解明に当たるとともに,その責任を明らかにするよう努めなければならない。

(市の工事等の契約に関する遵守事項)

第4条 議員は,自らが実質的に経営に関与する企業と市との間で締結する工事請負契約等に関して,法第92条の2の規定の趣旨を尊重し,市民に疑惑の念を生じさせないよう努めなければならない。

(市民の調査請求権)

第5条 市民は,議員が第3条及び第4条の規定に違反する疑いがあると認めるときは,これを証する資料を添え,法第18条に定める選挙権を有する者30人以上の連署とともに,文書で議長に調査を請求することができる。

2 議長は,前項の請求を受けたときは,10日以内にその書面の写しを添えて,審査会に調査を求めるものとする。

(審査会の調査)

第6条 審査会は,前条第2項の調査を求められたときは,当該事実の存否の調査を行い,90日以内に調査結果報告書を議長に提出しなければならない。

2 議長は,前項の規定により調査結果の報告書の提出を受けたときは,10日以内に請求者に文書で回答するとともに,議会報により速やかに公表しなければならない。

(市の工事等の契約に関する遵守事項の違反行為に関する措置)

第7条 議員が第4条の市の工事等の契約に関する遵守事項に違反している疑いがある場合,議長は,これを証する資料を添え,速やかに審査会に調査を依頼しなければならない。

2 前項の規定により審査会の調査において違反しているとの結果が出た場合は,議長はその旨を議会報で公表するものとする。この場合は,当該議員に対する辞職勧告について議会に諮ることができる。

(偽りの報告等に関する措置)

第8条 議長は,審査会の報告書において調査対象者(関係者を含む。)が偽りの報告をし,又は調査に協力しなかった等の指摘があったときは,その旨を議会報で公表しなければならない。

(政治倫理基準の違反行為に関する措置)

第9条 第7条の規定は,議員が第3条の政治倫理基準に違反している疑いがある場合について準用する。

(贈収賄罪の第1審有罪判決宣告後における説明会)

第10条 議員が刑法(明治40年法律第45号)第197条から第197条の4まで及び第198条に定める贈収賄罪により,第1審有罪判決の宣告を受け,なお引き続きその職にとどまろうとするときは,当該議員は議長に市民に対する説明会の開催を請求することができる。この場合において,当該議員は,説明会に出席し,釈明することができる。

2 市民は,前項の説明会において,議員に質問することができる。

3 市民は,第1項の説明会が開催されないときは,法第18条に定める選挙権を有する者30人以上の連署をもって,議長に説明会の開催を請求することができる。

4 前項の請求は,第1審有罪判決の宣告の日から30日を経過した日以後20日以内に議長を通じて行うものとする。

(税等の賦課及び納付状況報告書の作成等)

第11条 議員は,毎年5月31日までに市県民税,固定資産税,軽自動車税,国民健康保険税及び水道料金(以下「税等」という。)の賦課及び納付状況報告書を作成し,同日までに議長に提出しなければならない。

(税等の賦課及び納付状況報告書の訂正)

第12条 議員は,第11条の規定により提出した税等の賦課及び納付状況報告書等の記載内容に訂正の必要が生じたときは,議長に訂正を申し出て,これを訂正することができる。

(税等の賦課及び納付状況報告書等の保存及び閲覧)

第13条 前2条の規定により作成された税等の賦課及び納付状況報告書等は,議長においてこれらを作成すべき期間の末日の翌日から起算して5年を経過する日まで保存しなければならない。

2 何人も,議長に対し,前項の規定により保存されている税等の賦課及び納付状況報告書等の閲覧を請求することができる。

(委任)

第14条 この条例に定めるもののほか,この条例の施行について必要な事項は,規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は,平成19年10月1日から施行する。

(市の工事等の契約に関する遵守事項に係る経過措置)

2 この条例の施行の際,現に議員である者に対する第4条第4項の適用については,同条同項中「議員の任期開始の日」を「この条例の施行期日」に読み替える。

(税等の賦課及び納付状況報告書の作成等に係る経過措置)

3 この条例の施行の際,現に議員である者に対する第11条の適用については,同条中「毎年5月31日」を「この条例の施行期日の翌日から起算して30日を経過する日」に読み替える。

(平成26年9月29日条例第20号)

この条例は,公布の日から施行する。

(令和2年9月25日条例第25号)

この条例は,公布の日から施行する。

鉾田市議会議員政治倫理条例

平成19年6月29日 条例第18号

(令和2年9月25日施行)