○鉾田市議会基本条例
平成19年12月21日
条例第29号
目次
前文
第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 議会及び議員の活動原則(第3条―第4条の2)
第3章 市民と議会の関係(第5条)
第4章 議会と行政の関係(第6条―第8条)
第5章 自由討議の保障(第9条)
第6章 委員会の活動(第10条)
第7章 議会及び議会事務局の体制整備(第11条―第14条)
第8章 議員の政治倫理及び身分(第15条・第16条)
第9章 最高規範性と見直し手続(第17条・第18条)
附則
(前文)
地方議会は,地方分権の時代にあって,二元代表制のもと,地方公共団体の事務執行の監視機能及び立法機能を十分発揮しながら,日本国憲法に定める地方自治の本旨の実現を目指すものである。
鉾田市議会(以下「議会」という。)は,鉾田市民によって選ばれた議員で構成され,市民の代表機関であるとともに,市民の意思を代弁する合議制機関であることから,自治体事務の立案,決定,執行,評価における論点,争点を広く市民に明らかにする責務を全うし,鉾田市における民主主義の発展と市民の福祉の向上のために活動するものである。
議会は,日本国憲法及び地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)を遵守し,議会の公正性・透明性を確保することにより,市民に開かれた議会,市民参加を推進する議会を目指して活動し,市民に信頼され,活力ある議会の実現のために,この条例を制定する。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は,地方分権と地方自治の時代にふさわしい,議会及び議員の活動の活性化と充実のために必要な,議会運営の基本事項を定めることによって,“「いのち」と「くらし」の先進都市”を実現することを目的とする。
(市民の定義)
第2条 この条例において市民とは,市内に在住,在勤又は在学する個人及び市内で活動する法人その他の団体をいう。
第2章 議会及び議員の活動原則
(議会の活動原則)
第3条 議会は,次に掲げる原則に基づき活動を行わなければならない。
(1) 公正性及び透明性等を確保し,市民に開かれた議会を目指すこと。
(2) 市民の多様な意見を的確に把握し,市政に反映させるための運営に努めること。
(3) 市民にとって,分かりやすい言葉を用いた説明に努めること。
(4) 議会内での申し合わせ事項は,不断に見直しを行うこと。
(5) 市民の傍聴の意欲を高める議会運営を行うこと。
(議員の活動原則)
第4条 議員は,次に掲げる原則に基づき活動を行わなければならない。
(1) 議会が言論の府であること及び合議制機関であることを十分認識し,議員間の自由な討議を重んじること。
(2) 市政の課題全般について,市民の意見を的確に把握するとともに,自己の能力を高める不断の研さんによって,市民の代表としてふさわしい活動をすること。
(3) 議会の構成員として,一部団体及び地域の代表にとらわれず,市民全体の福利の向上を目指して活動すること。
(災害時の議会の役割)
第4条の2 議会は,災害等の不測の事態から市民の生命,身体及び財産並びに生活の平穏を守るために,緊急時における総合的かつ機能的な活動が図られるよう,市長等と協力し,危機管理体制の整備に努めるものとする。
第3章 市民と議会の関係
(市民参加及び市民との連携)
第5条 議会は,市民に対し積極的にその有する情報を発信し,説明責任を十分果たさなければならない。
2 議会は,本会議のほか,常任委員会,議会運営委員会及び特別委員会(以下「委員会」という。)会議を原則公開とする。
3 議会は,法第100条の2の規定による専門的知見の活用並びに委員会にあっては,法第109条第5項の規定による参考人制度及び公聴会制度を十分に活用して,市民の専門的又は政策的識見等を議会の討議に反映させるよう努めるものとする。
4 議会は,市民の意見を把握し議会活動に反映させるため,議会報告会等を積極的に開催するものとする。
第4章 議会と行政の関係
(議員と市長等執行機関の関係)
第6条 議会審議における議員と市長等執行機関及びその職員(以下「市長等」という。)との関係は,次に掲げるところにより,緊張関係の保持に努めなければならない。
(1) 本会議における議員と市長等の質疑応答は,広く市政上の論点及び争点を明確にするため,一問一答の方式で行うことができる。
(2) 議会は,議員が行う市長等への口頭による要請に対して,両者の関係の透明性を図るため,日時,要請内容,対応及び経過等を記録した文書を作成するよう市長等に求めるものとする。
(3) 議長から本会議又は委員会に出席を要請された市長等は,議長又は委員長の許可を得て,議員の質疑又は質問に対して反問することができる。
(議会審議における論点情報の形成)
第7条 議会は,市長が提案する重要な政策について,議会審議における論点情報を形成し,その政策水準を高めることに資するため,市長に対し,次に掲げる事項について明らかにするよう求めるものとする。
(1) 政策の発生源
(2) 提案に至るまでの経緯
(3) 他の自治体の類似する政策との比較検討
(4) 市民参加の実施の有無とその内容
(5) 総合計画との整合性
(6) 財源措置
(7) 将来にわたるコスト計算
(予算及び決算における政策説明)
第8条 議会は,予算及び決算の審議に当たっては,前条の規定に準じて,分かりやすい施策別又は事業別の説明を市長に求めるものとする。
第5章 自由討議の保障
(議会の合意形成)
第9条 議会は,言論の府であることを十分に認識し,議長は,市長等に対する会議等への出席要請を必要最小限にとどめ,議員相互間の自由討議を中心に運営しなければならない。
2 議会は,本会議及び委員会において,議員,委員会及び市長提出議案並びに市民提案に関して審議し結論を出す場合,議員相互間の議論を尽くして合意形成に努めるものとする。
第6章 委員会の活動
(委員会の活動)
第10条 委員会審査に当たっては,資料等を積極的に公開しながら市民に対し,分かりやすい議論を行うよう努めなければならない。
2 委員長は委員会の秩序保持に努め,委員長報告を自ら作成するとともに,質疑に対する答弁も責任をもって行わなければならない。
第7章 議会及び議会事務局の体制整備
(議員研修の充実強化)
第11条 議会は,議員の政策形成及び立案能力の向上等を図るため,各分野の専門家との研修会を積極的に開催するものとする。
(議会事務局の体制整備)
第12条 議長は,議員の政策形成及び立案を補助する組織として,議会事務局の調査・法務機能の充実強化を図るよう努めるものとする。
(議会図書室の利用)
第13条 議会図書室は,議員のみならず,市民もこれを利用できるものとする。
(議会広報の充実)
第14条 議会は,議案に対する各議員の対応を議会広報で公表する等,情報の提供に努めるものとする。
2 議会は,情報技術の発達を踏まえた多様な広報手段を活用することにより,多くの市民が議会と市政に関心を持つよう議会広報活動に努めるものとする。
第8章 議員の政治倫理及び身分
(議員の政治倫理)
第15条 議員は,鉾田市議会議員政治倫理条例(平成19年鉾田市条例第18号)を規範とし,遵守しなければならない。
(議員定数)
第16条 議員定数の改正に当たっては,行財政改革の視点だけではなく,住民の意思の反映,市政の現状と課題,将来の予測と展望を十分に考慮するものとする。
2 議員定数の基準は,人口,面積,財政力及び市の事業課題並びに類似市の議員定数と比較検討するものとする。
3 議員定数の条例改正議案は,市民の直接請求による場合及び市長が提出する場合を除き,議員定数の基準等の明確な改正理由を付して,法第109条第6項又は法第112条第1項の規定に基づき,委員会又は議員から提出するものとする。
第9章 最高規範性と見直し手続
(最高規範性)
第17条 この条例は,議会における最高規範であって,議会は,この条例の趣旨に反する議会の条例,規則等を制定してはならない。
2 議会は,全ての議員にこの条例の理念を浸透させるため,一般選挙を経た任期開始後速やかに,この条例の研修を行わなければならない。
(見直し手続)
第18条 議会は,一般選挙を経た任期開始後,できるだけ速やかに,この条例の目的が達成されているかどうかを議会運営委員会において検証するものとする。
2 議会は,前項による検証の結果に基づいて,この条例の改正を含む適切な措置を講じるものとする。
3 議会は,この条例を改正する場合には,全議員の賛同する改正案であっても,本会議において,改正の理由及び背景を詳しく説明しなければならない。
附則
(施行期日)
この条例は,公布の日から施行する。
附則(平成24年6月18日条例第13号)
この条例は,公布の日から施行する。
附則(平成25年6月14日条例第25号)
この条例は,公布の日から施行する。
附則(令和7年3月14日条例第13号)
この条例は,令和7年4月1日から施行する。