○鉾田市職員の分限処分の基準等に関する規程
令和6年3月12日
訓令第4号
(目的)
第1条 この訓令は鉾田市職員の分限に関する条例(平成17年鉾田市条例第26号)に定めるもののほか地方公務員法(昭和25年法律第261号。以下「法」という。)第28条に規定する分限処分を行う場合の具体的な手続等を定め,一定の事由により職責を十分に果たすことのできない職員に対して厳正かつ適切に対応することにより,公務の適正かつ能率的な運営を確保することを目的とする。
(1) 年次休暇 鉾田市職員の勤務時間休暇等に関する条例(平成17年鉾田市条例第33号。以下「勤務時間条例」という。)第13条に規定する年次休暇をいう。
(2) 療養休暇 勤務時間条例第14条に規定する療養休暇をいう。
(3) 特別休暇 勤務時間条例第15条に規定する特別休暇をいう。
(分限処分の対象職員)
第3条 職員が次の各号のいずれかに該当するときは,当該職員は,分限処分の対象となるものとする。
(1) 勤務成績の不良又は当該職に必要な適格性を欠くとき。
(2) 心身の故障のため,職務の遂行に支障があり,又はこれに堪えないとき。
(3) 行方不明のとき。
(1) 無断欠勤,無断離席等を繰り返す職員
(2) 業務の処理を繰り返し怠る職員
(3) 初歩的な業務上のミスを繰り返す職員
(4) 業務上の重大な過失を犯した職員
(5) 職務命令に違反し,又は従わない職員
(6) 職場での暴力,暴言又は誹謗中傷を繰り返す職員
(7) 市民等と頻繁にトラブルを起こし,その責めが自己にあると認められる職員
(8) 受診命令,療養への専念の指導等に従わない職員
(9) 前各号に掲げるもののほか,勤務成績の不良又は当該職に必要な適格性を欠くと任命権者が認める職員
(指導対象職員への指導)
第6条 所属長は,必要と認める期間,指導対象職員に対して注意及び指導を行うとともに,必要に応じて職場研修等を実施するものとする。この場合において,所属長は,当該指導対象職員に対する注意及び指導の内容並びに職場研修等の実施状況について,指導記録書(様式第3号)に記録しなければならない。
2 所属長は,前項に規定する措置を講じたにもかかわらず,当該指導対象職員の状況に改善が見られないときは,指導記録書を任命権者に提出し,報告を行うものとする。
(分限処分の予告)
第7条 任命権者は,前条第2項に規定する報告があったときは,関係職員(当該指導対象職員を含む。)から事情を聴取するものとする。
3 前項に規定する警告書の交付を受けた指導対象職員は,交付の日から7日以内に,任命権者に対して文書により弁明を行うことができる。
(1) 3年間の休職期間を経ても,病状が回復が見込めず,以後の職務遂行に堪えない職員
(2) 療養休暇又は病気休職(地方公務員法第28条第2項第1号による休職をいう。以下同じ。)を繰り返し,直近5年間におけるこれらの期間の累計が3年を超え,以後も同様の状態が継続し,職務の遂行に支障があると見込まれる職員
(3) 病気休職中であって,以後の職務の遂行が可能となる見込みがないと認められる職員
(4) 第4条各号に掲げる行為が,心身の故障によるものと考えられる職員
(1) 更に療養又は休養を要する。
(2) 療養又は休養によっても治癒し難い心身の故障がある。
(行方不明の職員への対応)
第14条 職員が1月以上にわたり行方不明であるときは,原則として免職処分とする。
(その他)
第15条 この訓令により難いものの処分等の取扱いについては,鉾田市職員分限懲戒審査委員会で審議し,市長が定める。
附則
この訓令は,令和6年4月1日から施行する。
別表第1(第4条関係)
勤務成績の不良又は当該職に必要な適格性を欠く場合の留意点
1 第3条に掲げる勤務成績の不良又は当該職に必要な適格性を欠くと評価することができる事実の例
(1) 勤務を欠くことにより職務を遂行せず,業務に著しい支障を及ぼした。
ア 長期にわたり又は繰り返し勤務を欠いたり,勤務時間の始め又は終わりに繰り返し勤務を欠いたりした。
例 事前に年次休暇等を申請せずに欠勤を繰り返したり,遅刻や早退をしたりした。
例 療養休暇や年次休暇が不承認となっているにもかかわらず,病気等を理由に出勤しなかった。
例 上司の指示を無視し,資料整理に従事するなどと称して出勤しなかった。
イ 業務と関係ない用事で度々無断で長時間席を離れた(欠勤処理がなされていない場合でも勤務実績不良と評価され得る。)。
例 事務室内を目的もなく歩き回り,自席に座っていることがほとんどなかった。
例 勤務時間中に自席で又は席を外して職場外に長時間私用電話をした。
例 勤務時間中に業務に関係しない電子メール又はインターネットに興じるなどして職務に専念しなかった。
(2) 割り当てられた特定の業務を行わなかった。
例 所属する係の所掌業務のうち,自分の好む業務のみを行い,他の命ぜられた業務を処理しなかった。
(3) 不完全な業務処理により職務遂行の実績があがらなかった。
ア 業務のレベルや作業能率が著しく低かった。
例 業務の成果物が著しく拙劣であった。
例 事務処理数が職員の一般的な水準に比べ著しく劣った。
例 業務の遂行に消極的で定型的な業務も怠ることが多かった。
イ 業務ミスを繰り返した。
例 計算業務を行うに当たって初歩的な計算誤りを繰り返した。
例 業務上初歩的な過ちを繰り返した。
ウ 業務を1人では完結できなかった。
例 他の職員と比べて窓口対応等でトラブルが多く,上司や他の職員が処理せざるを得ずに,常に支援を要する。
エ 所定の業務処理を行わなかった。
例 上司への業務報告を怠った。
例 書類の提出期限を守らなかった。
例 業務日誌を作成しなかった。
(4) 業務上の重大な過失,失策を犯した。
(5) 職務命令に違反をして,職務命令(第10条の受診命令及び療養への専念の指導等に従わない場合を含む。)を拒否した。
例 正当な理由なく,上司の指導又は職務命令に従わない。
(6) 上司等に対する暴力,暴言,誹謗中傷を繰り返した。
例 著しく粗野,乱暴又は卑わいな言動を繰り返し,他の職員,市民等に恐怖心を抱かせ,又は他の職員,市民等を不快にさせた。
(7) 協調性に欠け,市民や他の職員と度々トラブルを起こした。
(8) 療養休暇又は特別休暇をその理由がないにもかかわらず取得することを繰り返した。
(9) 非違行為により法第29条の規定による懲戒処分を受けたにもかかわらず,同様の行為を繰り返している。
(10) 前各号までに該当する場合を除き,人事評価における能力評価が役職段階に期待される能力を大きく下回る(E評価)若しくは下回る(D評価)とされた。
(11) 前各号に掲げるもののほか,勤務実績が良くないことが客観的に明らかであって,今後もその改善又は是正が見込めない。
2 資料収集を行うこと。
(1) 第3条第1号の勤務成績の不良又は適格性欠如に該当するか否かの判断は,単一の事実や行動のみをもって判断するのではなく,一連の行動等を相互に有機的に関連付けて行うものであるので,次に掲げる客観的な資料を収集する必要がある。
ア 職員の勤務実績を判断するに足ると認められる事実を記録した文書
イ 職員の勤務実績が他の職員と比較して明らかに劣る事実を示す記録
ウ 職員の職務上の過誤,当該職員についての苦情等に関する記録
エ 職員に対する指導等に関する記録
オ 職員に対する分限処分,懲戒処分その他服務等に関する記録
カ 職員の身上申告書又は職務状況に関する報告
(2) 特に,職員の職務上の過誤や当該職員についての苦情等の具体的な事実が発生した場合には,その都度,詳細に記録を作成してすること。
(3) 次に掲げる指導又は措置を行った場合は,その内容を記録しておくこと。
ア 所属長の注意又は指導に関すること。
イ 当該職員が従事する職務や業務の見直しを行ったことに関すること。
ウ 職員の矯正を目的とした研修に関すること。
エ その他職員の矯正のために必要と認める措置に関すること。
3 問題行動が心の不健康に起因すると思われる場合には,所属長は,職員に積極的に話しかけて事情を聞くほか,必要に応じ同僚等に職員の状況の変化の有無を聞くとともに,衛生管理者等と対応を相談するものとする。
4 問題行動の中には懲戒処分の対象となる事実も含まれている場合もあることから,当該事実を把握した任命権者は,分限処分と懲戒処分の目的や性格に照らし,総合的な判断に基づいてそれぞれ処分を行うなど厳正に対応する必要がある。
別表第2(第10条関係)
心身の故障のため,職務の遂行に支障があり,又はこれに堪えない場合の留意点
1 治癒し難い心身の故障があるとの診断がなされなかった場合の対応
2 医師による適切な診断を求める努力
職員の心身の故障の回復の可能性及び職務遂行の可否を判断するための医師の専門的診断は,職場の実態や職員の職場における実情等に基づく必要がある。そのため,診断する医師にその実情を十分に伝え,適切な診断を求めていくことが必要である。
3 病気休職期間満了前からの準備
3年間の病気休職の期間が満了する場合には,その期間満了前から,当該職員や主治医と緊密に連絡を取って病状の把握に努め,第11条に規定する医師2名の診断を求める必要があるかどうか検討しておく。
4 療養休暇又は病気休職の累計が3年を超える場合の対応
例 精神疾患の病状が回復し,職場復帰した後に,交通事故による外傷によって病気休職等とされた場合
5 受診命令違反の場合の留意点