麻しんとは?
麻しんは、麻しんウイルスにより引き起こされる感染症で、その感染力は非常に強く、免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%発症します。感染すると約10日後に38℃前後の発熱や咳、鼻水といった風邪のような症状が現れ、2~3日熱が続いた後、39℃以上の高熱と発疹が出現します。肺炎や脳炎などの合併症を伴い、重症化することもあります。
●症状:発熱、発疹、咳、鼻水、目の充血など
●感染経路:空気感染(飛沫核感染)、飛沫感染、接触感染
●潜伏期間:10~12日間(最大21日間)
●治療:特別な治療法はなく、対症療法
●予防方法:ワクチン接種
麻しんが疑われる症状が出現した場合
発熱や発疹のある方と接触した1~2週間後や海外渡航後に、麻しんが疑われる症状が出現した場合には注意が必要です。麻しんは感染力が強いため、感染拡大を防ぐために下記へのご協力をお願いします。
◆医療機関を受診する際は、事前に医療機関に連絡のうえ受診ください
◆受診の際は、周囲の感染拡大を防止するためにマスクを着用し、公共交通機関の利用は避けてください
予防方法
麻しんは空気感染もするので、手洗い、マスクのみで予防はできません。
麻しんの予防に最も有効な方法は、麻しんワクチン接種であり、麻しんワクチンを2回接種することで約99%が抗体(免疫)をもつことができるとされています。
●母子手帳で麻しんワクチン接種歴を確認しましょう
●麻しんワクチン接種歴がない場合や、接種歴不明の場合はワクチン接種を検討しましょう
●麻しんの定期接種対象者(1歳児、小学校入学前1年間の幼児)は、ワクチン接種を受けましょう
【参考】MRワクチン(厚生労働省)
茨城県の発生状況
2025年3月以降、茨城県における麻しん報告数が増加しています。2025年の累計報告数は21例(2025年5月10日時点の速報値)となり、直近10年で最多だった2019年の報告数(17例)を上回りました。
海外の発生状況
現在も麻しんが流行している国は多くあるため、海外渡航の際は特に注意が必要です。海外渡航前にワクチン接種歴や渡航先での麻しんの流行状況を確認しましょう。また、帰国後は健康観察を行い、麻しん症状の出現に注意しましょう。