令和7年第7回鉾田市議会臨時会

はじめに

 令和7年第7回鉾田市議会臨時会が開会されるに当たり、市民の皆様からの負託を受けた市長として所信の一端を述べる機会をいただきありがとうございます。

 私は、先の10月26日に行われた鉾田市長選挙において、多くの市民の皆様からご支持をいただき、市長として今後4年間、市政を担わせていただくことになりました。
 今、その使命と職責の重大さを痛感するとともに、良い緊張感と責任感の下、全身全霊で市政に取り組む決意を新たにしています。

 今回の市長選挙を通じ、市民の方々から鉾田への熱い思いや、地域が抱える課題への切実な訴えなどをたくさん頂くとともに、地域づくりに尽力されている姿を拝見し、心に響くものがありました。

 本市は、美しい自然、長い歴史と文化、そして人と人との心の触れ合いにあふれ、市民の絆が育む温かいまちであります。この恵まれた自然は私たちの暮らしを豊かにし、この地で発展した農業の営みは、メロンやさつまいもをはじめとする野菜の産出額日本一という地域の誇りとなっております。
 また、それぞれの地域の祭りや伝統行事も、私たちの文化的な基盤として、世代を超えて受け継がれるべき貴重な財産です。このような地域の宝を守り、育みながら、笑顔と活気のあふれる豊かな鉾田を築いていくことが、私の使命であります。

 近年、我が国は、人口減少や少子高齢化による働き手不足、貧困問題、エネルギー価格の上昇に伴う物価高騰、気候変動問題、大規模災害への対応、急速に進むデジタル社会への適応など、市民生活に直結する様々な課題に直面しています。本市も例外ではなく、今後、生産年齢人口の減少による市税収入の減少や高齢化に伴う社会保障費等の増大など、大きな転換期にあると認識しています。
 私は、市議会議員として26年間、市民の皆様の声に真摯に耳を傾け、地域の課題解決と発展に努めてまいりました。こうした時代の転換期にこそ、現場の声に耳を傾け、実行に移すことが何より重要であります。
 市民の皆様が日々感じている課題は多岐にわたるため、それを的確に理解し、本市の解決すべき問題に向き合うためにも、市民の皆様の声を聞く姿勢を持ち続けます。
 私は責任と熱意を持ち、市民の皆様、議会、職員と共に、この変化の時代に立ち向かい、明るい未来を切り開いてまいります。

 そして、市政運営に当たっては、市議会議員の皆様と我々執行部が緊密に連携を図り、切磋琢磨しながら「車の両輪」となって本市の歩みを進めることが、極めて重要と捉えております。
 議員の皆様と力を合わせ、鉾田市が直面する難局を乗り越えることで、鉾田市の未来を創造してまいりたいと考えておりますので、格別のご支援とご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

「無駄ゼロ、孤立ゼロ、希望無限大」-3つの『つくる』と9つの政策

 それでは、市政運営に臨むに当たり、基本的な考え方と方針を述べさせていただきます。私は、市民生活ファーストのための「無駄ゼロ、孤立ゼロ、希望無限大」を政策テーマに掲げ、3つの「つくる」と9つの政策を展開してまいります。そして、いのちと暮らし、雇用を守り、無駄ゼロを徹底し、対話と説明責任を果たして、誰もが納得感のある「信頼の鉾田」を築いてまいります。

 3つの「つくる」の1つ目は「市民の納得感と信頼感を造る」、2つ目は「安心と持続性ある仕組みを作る」、3つ目は「市民のくらしの夢と希望を創る」であります。この3つの柱こそが市政運営の根幹となる柱であり、「信頼の鉾田」を築いていくための基盤であると考えております。

 続いて、この柱に基づく9つの政策を申し上げさせていただきます。

1 持続可能なまちづくり

 1つ目の政策は、「持続可能なまちづくり」についてであります。現実に即した無駄のない未来のあるべき姿を目指し、あらゆる世代の市民の皆様とのつながりを大切にし、対話を重ねながら、皆が希望を持ち、子どもたちが将来に前向きになれる、持続可能なまちづくりを実践してまいります。そのためには、市職員の力が不可欠であります。職員が業務にやりがいを持つとともに、働きやすい職場環境を整備するための「人事課」を新たに設置し、職員の適正配置やメンタルケアの充実等に取り組んでまいります。

2 公共施設等の未来ビジョン

 2つ目は、「公共施設等の未来ビジョン」についてであります。まず、現在進められている新庁舎・公共施設等整備推進事業については、一旦ストップします。しかしながら、市庁舎をはじめ公共施設等の老朽化への対応は必要であり、市有地の土地活用や機能面など、市民の皆様の声を広くお聴きし、熟議した上で、検討してまいります。

3 計画的なインフラ整備と地域活性化

 3つ目は、「計画的なインフラ整備と地域活性化」についてであります。インフラ整備については、国や県の交付金などを活用し、市の負担をできる限り軽減しながら、道路や上下水道等の整備を進めてまいります。また、日常のごみ捨てに困らないよう、ごみの収集・処理体制を維持改善してまいります。さらに、誰もが安心して移動できる交通環境を目指し、地域公共交通の改善に取り組んでまいります。地域活性化については、にぎわいと笑顔、誇れるまちづくりのため、花火大会や鉾田のお祭りを支援し、歩いて楽しめるまちを目指してまいります。また、空き店舗や空き地を活用して、子育てママの起業支援拠点や女性が集えるイベントの開催など、女性が活躍できる場所の創出に取り組み、さらには中心市街地の活性化を図ってまいります。

4 デジタルを駆使した共助コミュニティ

 4つ目は、「デジタルを駆使した共助コミュニティ」についてであります。DXの推進については、デジタル技術を活用した生活・健康・教育を支える「地域DX」と「行政DX」を推進し、より一層の市民サービス向上を図ってまいります。

5 地域医療と救急体制の確保

 5つ目は、「地域医療と救急体制の確保」についてであります。地域医療と救急体制の在り方については、現在の救急体制を維持しつつ、医療機関等との連携を強化するなど医療資源を安定的に確保する仕組みづくりに取り組んでまいります。

6 高齢者・障がい者にやさしい地域ケア

 6つ目は、「高齢者・ 障がい者にやさしい地域ケア」についてであります。高齢者・ 障がい者が地域の一員として尊重され、自分らしい生活を安心して送ることができ、誰も孤立することがないよう、本市の地域ケアシステムをさらに充実させてまいります。

7 安心の子育て環境

 7つ目は、「安心の子育て環境」についてであります。まず、少子化の現状を踏まえた上で、中学校の在り方について、再編を含め早急に検討を始めてまいります。次に、保育・幼児教育環境の整備についても、幼稚園児の減少に伴い、休園基準に2つの幼稚園が該当しているという状況を鑑みて、適正かつ充実した環境を整えてまいります。加えて、文化・スポーツ環境の充実を図り、子どもたちの夢の実現と健やかな成長を支援してまいります。また、先進地の取組み「あらゆる無償化」「英語教育」「地産地消給食」に学び、将来に希望の持てる環境を整備してまいります。

8 稼げる産業と地域の担い手育成

 8つ目は、「稼げる産業と地域の担い手育成」についてであります。産業については、農畜産業や商工業の担い手の育成や労働力の確保を支援し、地域に雇用と活力を生み出してまいります。また、本市の基幹産業である農業においては、イノシシなどの有害鳥獣等から農産物を守る対策の強化など、持続可能かつ儲かる農業を後押ししてまいります。

9 鉾田ブランドの進化

 最後に9つ目は、「鉾田ブランドの進化」についてであります。まず、ふるさと納税事業については、特に力を注いでいきたいと考えております。具体的には、専門に扱う部署「(仮称)鉾田ブランド推進室」を設置いたします。その上で、専門的な知識や技術を習得するための人材育成として、職員を先進地に派遣するなど体制を整え、ふるさと納税額の倍増を目指してまいります。また、農業のトップセールスとブランド戦略で、「鉾田ブランド」を確立し、日本一の鉾田の農畜産物を国内外に発信してまいります。また、鹿島灘海浜公園についても、道の駅整備事業等を活用して推進してまいります。

結びに

 これまでの9つの政策のほか、市民のくらしを後押しする物価高騰対策の取り組みとして、水道基本料金の減免、エアコン設置費の助成、中高生への通学費の補助、の3つの事業実施に向け、検討を進めてまいります。

 以上、私の所信の一端を述べさせていただきました。

 私の座右の銘は、「一生懸命」であります。これまで農業に60年間従事し、議員を26年間務める中で、常に「和を持った姿勢」で何事にも一生懸命に取り組んでまいりました。これから市政運営を担っていく上でも、変わらず一生懸命にやってまいります。そして、すべては市民の暮らしを後押しするための市民生活ファーストの政策を基に、市民の皆様一人ひとりの声を大切にし、共に課題を解決しながら、「無駄ゼロ、孤立ゼロ、希望無限大のほこた」の実現に向け、そして誰もが住んで良かったと思えるまちづくりに責任を持って全力で取り組んでまいります。市民の皆様、市議会議員各位におかれましては、格別のご支援とご協力を賜りますよう、心からお願い申し上げ、私の所信表明といたします。

問い合わせ先

このページに関するお問い合わせは政策秘書課です。

市役所本庁舎 2階 〒311-1592 鉾田市鉾田1444番地1

電話番号:0291-36-7151 ファクス番号:0291-32-4443

メールでのお問い合わせはこちら

アンケート

鉾田市ホームページをより良いサイトにするために、皆さまのご意見・ご感想をお聞かせください。
なお、この欄からのご意見・ご感想には返信できませんのでご了承ください。

Q.このページはお役に立ちましたか?
チャットボット 閉じる