人間は本来、自己抑制力をもっています。そのガマンする気持ちは,毎日の生活の中で小さなガマンを少しずつしていくことから育っていきます。やりたくないけれどがんばってやる、やりたいけれど一生懸命ガマンする、この繰り返しです。
例えば・・・
「もっと遊んでいたいけれど、寝る時間だから遊びをやめよう」
「お菓子が食べたいけれど、おやつの時間までガマンしよう」
こうしたことの積み重ねによって、子どもは
「したいけれど、してはいけないからやめよう」
という行動がとれるようになっていくのです。欲望と抑制のバランスを上手にとれるようになることが大切です。
『ちょこっとガマン』でやる気は育つ!!
子どもが少しがんばればガマンできそうなものを見つけ、ガマンをさせます。これが『ちょこっとガマン』です。そして、「ガマン」できたら「ちゃんとガマンできたね。」とお子さんを褒めてあげてください。この言葉掛けが、【ガマンできる子】を育てます。ガマンは楽しいことではないので、子どもにガマンさせることに少し抵抗があるかもしれません。しかし、子どもにとってはとても大切なことです。ガマンすることで、自分の欲望をコントロールできるようになります。
「〇〇したら~しようね。」など、約束をしてガマンさせたときにはその約束は必ず守るようにしましょう!!せっかくガマンしたのに約束を守ってもらえないと、子どもは「今してもらわないと永遠にしてもらえない」と考え、要求を強く言ってくるようになります。また、子どもの要求を聞けない時には、はっきり「ダメだ」と断ることも大切です。
「ガマンさせたときの約束は守る」
「できない約束はしない」ことが、
「ガマンできる子」を育てます。
お子さんに指示したり、
命令したりすることが
多くなっていませんか?
指示ばかりされている子は、自主性が育たず、自分で考えたり判断したりすることが苦手になってしまいます。
なんでも「イヤ」というイヤイヤ期のお子さんには、「着替えなさい!!」と命令するのではなく、2~3枚の洋服を出して、「今日はどれを着る?」と聞いてみましょう。自分で選べると思うと子どもは喜んで着替えます。小さいときから、『自分で選んで決める』ということをどんどんさせてあげてください。子どもは、「あれもダメ!これもダメ!」「こうしなさい」と言われ続けると反発します。『自分で選んで決める』ことをたくさん経験し、自分で考えて判断できるように育てられた子は、「自分は親に認められている、信頼されている」と実感でき、【ガマンする心】も育つと言われています。
「どこまでガマンさせるか」という基準は人それぞれですが、子どもの「~したい」という気持ちを頭ごなしに「ダメ!!」と言うのではなく、まずは子どもの気持ちに寄り添ってあげることも大切です。ガマンさせるべきとそうでない時を見極めながら、感情をコントロールする基礎となる「ガマンする心」を育てていきましょう!!