概要
文化財防火デーの制定は,昭和24年1月26日に,現存する世界最古の木造建造物である法隆寺(奈良県斑鳩町)の金堂が炎上し,壁画が焼損したことに基づいています。
その後,文化財保護行政を確立するとともに,文化財保護思想の一層の強化徹底を図るために普及啓発事業が行われるようになりました。その一環として,法隆寺金堂の焼損した日であること,1月と2月が1年のうちで最も火災が発生しやすい時期であることから,昭和30年に,当時の文化財保護委員会(現在の文化庁)と国家消防本部(現在の消防庁)が1月26日を「文化財防火デー」と定め,文化財を火災,震災その他の災害から守るとともに,全国的に文化財防火運動を展開し,国民一般の文化財愛護に関する意識の高揚を図っています。
鉾田市管内においても,文化財を火災またはその他の災害から守るため,合同消防演習を実施し,文化財保護意識の啓発を図っています。
消防訓練の内容
日時:令和8年1月25日(日) 午前9時から
場所:鉾田市二重作1009番地2 息栖神社
参加機関:鉾田消防署,鉾田消防署大洋出張所,鉾田市消防団大洋支団(第6分団,第7分団,第16分団)
訓練内容:初期消火訓練、消火訓練
息栖神社って?

息栖神社本殿は,昭和49年(1974)3月9日に鉾田市指定文化財に指定されました。
本殿は,二重作の中央大地に南向きに建っており,屋根は流造※1銅板葺となっています。お社の大きさは,間口一間※2,奥行二間となっています。祀られている神様は岐神で,仁寿3年(853)に,神栖市の息栖神社から分霊を迎えて祀ったものとされています。
※1.屋根の向拝側が長く伸び、流れるような形が特徴。神社本殿の代表的な建築様式の一つ。
※2.1間=6尺(1尺=約303mm)=約1820mm
岐神(くなどのかみ)って?
岐神(記:衝立船戸神)は、古事記によると、黄泉国から帰還した伊耶那岐神が、黄泉の穢れを清める際に投げ捨てた杖に成った神様と言われています。
杖は、古代において境界をあらわすものとして用いられていました。『常陸国風土記』の中にも、神様の土地と人間の土地を区切るために、目印となる杖を立たというお話が登場します。
これらの事から, 岐神(記:衝立船戸神)は、「境界にあって邪悪なものの侵入を防ぐ道祖神※1」的な性格を持つ神様であると考えられています。(諸説あり)
引用
※1 國學院大學 古典文化学事業 「衝立船戸神」
https://kojiki.kokugakuin.ac.jp/shinmei/tsukitatsufunatonokami/(令和7年11月25日アクセス)