税額控除とは、課税所得金額から求めた算出税額から差し引く金額のことです。
調整控除
所得税から個人住民税(市民税・県民税)へ税源移譲するにたあたり、所得税と市民税・県民税の人的控除額の差により生じる負担増を調整するために設けられた控除です。
なお、令和3年度以降は合計所得金額が2,500万円を超える場合は控除の対象外となります。
控除金額
合計課税所得金額が200万円以下の場合
1,2のうちいずれか少ない金額×5%(市民税3%、県民税2%)
- 人的控除額の差の合計額
- 合計課税所得金額
合計課税所得金額が200万円を超える場合
1,2のうちいずれか大きい金額×5%(市民税3%、県民税2%)
- 人的控除額の差の合計額-(合計課税所得金額-200万円)
- 5万円
※合計課税所得金額:課税総所得金額、課税退職所得金額及び課税山林所得金額の合計金額をいい、申告分離課税に係る譲渡所得等は含みません。
※人的控除額の差:所得税の人的控除額と市民税・県民税の人的控除額の差のことで、下表のとおりです。
※表中の※印は、調整控除の算出等に用いる金額であり、市民税・県民税の人的控除額の差と一致しません。
配偶者控除・配偶者特別控除以外
人的控除の種類 | 所得税の控除額 | 市民税・県民税の控除額 | 人的控除額の差 | |
扶養 | 一般扶養 | 38万円 | 33万円 | 5万円 |
特定扶養 | 63万円 | 45万円 | 18万円 | |
老人扶養 | 48万円 | 38万円 | 10万円 | |
同居老親等 | 58万円 | 45万円 | 13万円 | |
障害者 | 普通障害者 | 27万円 | 26万円 | 1万円 |
特別障害者 | 40万円 | 30万円 | 10万円 | |
同居特別障害者加算 | 35万円 | 23万円 | 12万円 | |
本人 | 寡婦(寡夫) | 27万円 | 26万円 | 1万円 |
特別寡婦 | 35万円 | 30万円 | 5万円 | |
ひとり親(母) | 35万円 | 30万円 | 5万円 | |
ひとり親(父) | 35万円 | 30万円 | 1万円※ | |
勤労学生 | 27万円 | 26万円 | 1万円 | |
基礎控除 | 2,400万円以下 | 48万円 | 43万円 | 5万円 |
2,400万円超2,450万円以下 | 32万円 | 29万円 | 5万円※ | |
2,450万円超2,500万円以下 | 16万円 | 15万円 | 5万円※ |
配偶者控除・配偶者特別控除
配偶者の合計所得金額 | 納税義務者本人の合計所得金額 | |||||
900万円以下 | 900万円超950万円以下 | 950万円超1,000万円以下 | 1,000万円超 | |||
配偶者控除 | 38万円以下 | 配偶者が70歳未満 | 5万円 | 4万円 | 2万円 | 0円 |
配偶者が70歳以上 | 10万円 | 6万円 | 3万円 | |||
配偶者特別控除 | 48万円超50万円未満 (38万円超40万円未満) |
5万円 | 4万円 | 2万円 | ||
50万円超55万円未満 (40万円以上45万円未満) |
3万円※ | 2万円※ | 1万円※ | |||
55万円以上133万円以下 (45万円以上123万円以下) |
0円 |
※()内は令和2年度以前の合計所得金額
配当控除
株式の配当などの配当所得があり、総合課税を選択した場合に税額から控除されます。
控除金額
配当所得×控除率=配当控除額
配当控除の控除率
種類 | 課税総所得金額 | |||
1,000万円以下の部分に含まれる配当所得 | 1,000万円超の部分に含まれる配当所得 | |||
市民税の控除率 | 県民税の控除率 | 市民税の控除率 | 県民税の控除率 | |
余剰金の配当、利益の配当等 | 1.6% | 1.2% | 0.8% | 0.6% |
特定株式投資信託以外の証券投資信託の収益の分配(一般外貨建等証券投資信託以外) | 0.8% | 0.6% | 0.4% | 0.3% |
一般外貨建等証券投資信託の収益の分配 | 0.4% | 0.3% | 0.2% | 0.15% |
控除適用の対象外
次の配当は、配当控除の適用が受けられません。
- 申告分離課税を選択した上場株式等の配当等
- 外国株式の配当等
- J-REITなどの投資法人から受ける配当
- 特定外貨建等証券投資信託の収益分配
- 国内債券、外国債券(利付債)の利息
※上記は一例であり、詳しくは支払い等を受けた法人、証券会社等にご確認ください。
住宅借入金等特別税額控除(住宅ローン控除)
所得税の住宅借入金等特別税額控除(以下、住宅ローン控除)の適用を受けた後に控除しきれなかった金額がある場合、市民税・県民税の所得割額から控除されます。
控除金額
平成11年1月から平成26年3月31日までに入居されたかた
1,2のいずれか少ない金額(控除限度額:97,500円)
- 所得税の住宅ローン控除可能額のうち、所得税において控除しきれなかった額
- 所属税の課税総所得金額等の額×5%
※平成19年~20年に入居されたかたは、市民税・県民税の住宅ローン控除の対象になりません。
※課税総所得金額等:所得税の課税総所得金額、課税退職所得金額、課税山林所得金額の合計額
平成26年4月1日から令和3年12月までに入居されたかた
1,2のいずれか少ない金額(控除限度額:136,500円)
- 所得税の住宅ローン控除可能額のうち、所得税において控除しきれなかった額
- 所得税の課税総所得金額等の額×7%
※消費税5%で購入した場合、控除金額は「平成11年1月から平成26年3月31日までに入居されたかた」の金額となります。
手続きの仕方
1年目(居住を開始し、住宅ローン控除を初めて受ける場合)
確定申告書を申告期限までに潮来税務署へ提出し、所得税の住宅ローン控除の適用を受けてください。
※初めて住宅ローン控除を受ける確定申告については、鉾田市で実施する申告相談(2月中旬~3月中旬)では受けることができませんので、潮来税務署で申告をお願いします。
2年目以降
- 年末調整で住宅ローン控除を適用する
勤務先の年末調整で住宅ローン控除を受けてください。 - 確定申告で住宅ローン控除を適用する
確定申告書を申告期限までに潮来税務署へ提出し、所得税の住宅ローン控除の適用を受けてください。
控除適用の対象外
次の場合は、市民税・県民税における住宅ローン控除の適用が受けられません。
- 市民税・県民税が非課税のかた
- 居住開始年月日が平成19年又は平成20年のかた
- 住宅ローン控除が所得税で全額控除できるかた
- 住宅ローン控除の適用をしなくても所得税のかからないかた
- 市民税・県民税の控除対象にならない住宅ローン控除をされたかた
(1)特定増改築等(バリアフリー改修・省エネ改修工事など)住宅借入金等特別控除(租税特別措置法第41条の3の2)
(2)住宅耐震改修特別控除(租税特別措置法第41条の19の2)
(3)住宅特定改修特別税額控除(租税特別措置法第41条の19の3)
(4)認定長期優良住宅新築等特別税額控除(租税特別措置法第41条の19の4)
寄附金税額控除
都道府県、市区町村や特定の団体などに寄附をした場合、市民税・県民税の所得割額から控除されます。
控除対象となる寄附金
- 地方公共団体(都道府県・市区町村)に対する寄附金(ふるさと納税)
- 茨城県共同募金会に対する寄附金
- 日本赤十字社茨城県支部に対する寄附金
- 茨城県又は鉾田市が条例により指定した団体への寄附金
控除金額
寄附先 | 控除額 |
地方公共団体 | AとBの合計額(ワンストップ特例該当者はA+B+C) |
A:基本控除額 |
|
B:特例控除額 (寄附金額-2,000円)×特例控除割合 |
|
C:申告特例控除額 (Bで算出した額)×申告特例控除割合 |
|
茨城県共同募金会 日本赤十字社茨城県支部 |
(寄附金額-2,000円)×10% |
茨城県が条例で定める団体 | (寄附金額-2,000円)×4% ※県民税のみ |
鉾田市が条例で定める団体 | (寄附金額-2,000円)×6% ※市民税のみ |
※寄附金額は、実際に寄附した金額と総所得金額等の30%のいずれか少ない方の金額となります。
※「B:特例控除額」は、市民税・県民税所得割額(調整控除後)の20%が限度となります。ただし、分離課税の所得がある場合、特例控除割合が異なる場合があります。
割合表
課税総所得金額-人的控除差調整額 | 特例控除割合 | 申告特例控除割合 |
195万円以下 | 84.895% | 84.895分の5.105 |
195万円超330万円以下 | 79.790% | 79.79分の10.21 |
330万円超695万円以下 | 69.580% | 69.58分の20.42 |
695万円超900万円以下 | 66.517% | 66.517分の23.483 |
900万円超1,800万円以下 | 56.307% | 56.307分の33.693 |
1,800万円超4,000万円以下 | 49.160% | |
4,000万円超 | 44.055% |
※課税総所得金額は、総所得金額から所得控除を差し引いた後の金額です。
※人的控除差調整額は、上記「調整控除」をご参照ください。
手続きの仕方
寄附したことを証明する書類(領収書等)の原本を申告の際に提示してください。
ふるさと納税ワンストップ特例制度
平成27年4月1日から「ふるさと納税ワンストップ特例制度」が創設されました。
本制度は、所得税の確定申告や市民税・県民税の申告が必要ない給与所得者などが、地方公共団体にふるさと納税を下債に、申告をしなくても寄附金税額控除が受けられるものです。
この特例が適用されると、所得税では寄附金控除を適用せず、ふるさと納税を行った翌年度の市民税・県民税から所得税の寄附金控除分相当額を含めて控除されます。
ワンストップ特例の詳細についてはこちら
配当割額・株式等譲渡所得割額控除
一定の上場株式等の配当等の所得や譲渡に係る所得に対しては、県民税配当割及び県民税株式等譲渡所得割として、他の所得と区分して分離課税が行われます。この場合、「配当の支払者」や「譲渡の対価の支払者」が税額を計算し、配当や譲渡の対価を支払う際に天引き(特別徴収)を行います。
上記の所得については申告不要制度を選択することができますが、申告をした際には所得割で課税され、二重課税となることから特別徴収された額を市民税・県民税の所得割額から控除します。
控除金額
配当割額または株式等譲渡所得割額×控除割合
控除割合
市民税 | 県民税 |
3/5 | 2/5 |
外国税額控除
外国で得た所得で、その国の所得税や個人住民税に相当する税金を納税している場合は、一定の計算方法により、その外国での税額が所得税や個人住民税の所得割額から控除されます。
控除金額
所得税で外国税額控除を行い、控除しきれないときは県民税の所得割から一定の金額を限度として控除し、さらに控除しきれないときは市民税の所得割から一定の金額を限度として控除します。
所得税控除限度額:その年分の外国所得金額/その年分の所得総額×所得税額
県民税控除限度額:所得税控除限度額×12%
市民税控除限度額:所得税控除限度額×18%